
日々悩ましいのは
新たな航海への
いざないかもしれない…
働き方に悩むのは人生の目標が定まっていないから
「現在の働き方に満足していますか?」という質問を投げかけられたとして、あなたは「はい」と答えることができるでしょうか。
私は、そういう幸福な人は希少だと感じています。
おそらく、多くの人が漠然とした不安を抱えながら、毎日を過ごしているのではないでしょうか。
まるで霧のかかった海を、どこへ向かうでもなく漂っているような感覚。
これらの悩みは、一つひとつが重く、私たちの心を曇らせます。しかし、その根本的な原因は、もしかしたら「働き方」そのものではなく、もっと別の場所にあるのかもしれません。
それは、あなたの人生という航海の「目的地」が、まだはっきりと見えていないからではないでしょうか?
私の転職体験談
私の航海も迷走しました。私にとってキャリアチェンジの場面はこれまでに二度ありました。
20代の後半、私はマッサージ師の資格を有して東京都内の病院のリハビリテーション担当科に勤務していました。
けれども医療保険制度の改定によって、病院でのリハビリテーションは理学療法士等が担うべきものとされて、結果的に私たちのような資格者は、婉曲に排斥される流れが生じました。
私は病院に勤めて7年目で担当科の役職にも就いていましたが、病院側にとって好都合な理学療法士等の採用が進められる中で、遠からず肩身の狭い思いをすることになるだろうと予感し、その病院を退職する決意をしました。
もともと田舎育ちだった私は、7年間の都会暮らしで自然の中で過ごすことを渇望していました。
線路わきや、河川敷の草むらにノビルやカラシナなどの食草を探して山菜採り気分を楽しんだり、週末には夜行列車に乗って、日本海側の海や川に魚釣りに出かけたりしていました。
周囲に退職する意向を示したところ、医師の一人が声を掛けてくれて、彼の紹介で新潟の山村の診療所に就職する事になりました。
それが一度目のキャリアチェンジでした。
そして二度目の転職の時は、もう少し深刻な悩みの中でもがいていました。
新潟へ移住して12年、私は診療所から系列の特別養護老人ホームに移って機能訓練指導員として勤務し、100人余りの入所者の機能訓練を1人で担当していました。
いわゆる「特別養護老人ホーム」ですが、入所している高齢者のほとんどは年齢的な衰えに加えて、認知症や、傷病による体の不自由を抱えています。
私はそうした高齢者に対して機能訓練というアプローチが通用しないことに悩んでいました。
機能訓練には回復して何かやりたいことがあるとか、そうした「動機」が少なからず必要です。
けれども、すでに生きる目的も希薄になり、家族からも離れて余生をおくる高齢者の生活の不自由を、体の機能回復によって改善しようとするアプローチは、根本的に間違っていたのです。
私は職場の中で自分という歯車が有意義に機能していないことに悩み、専門書を読み漁りました。
そして、高齢者に有意義なリハビリテーションのアプローチは、「体の不自由をあらゆる手段で補いながら、主体的に実際の生活行為を行ってもらうと」なのだという結論に至りました。
今で言うところの「生活リハビリ」ですが、当時はまだそうした理念が一般的ではなく、例えば座位が可能な方でも、臥床のままオムツに排泄することを強いられていました。介護職員は決められた時間になると、専用の台車に替えのオムツと清拭布を積んで、一斉におむつ交換に回ります。
それを、もしもトイレ介助に移行できたならどうでしょう。起立する機会が確保できて、下肢の萎縮予防になります。立つことをしないと骨も弱くなって、血液中に溶け出したカルシウムで腎臓などに結石が生じやすくなったりもしますが、それも予防できます。
排泄の問題は生活の質の改善において最も重要で、それが上手くいかなくなると人格の崩壊も加速します。
当然、「おトイレしましょうね」と声掛けをして介助するので、高齢者にとっては「訓練」よりも動機が明らかですし、排泄に関わる認知機能の廃用も予防できます。「廃用」というのは文字通り「用いないこと」で、それに起因して生じる多様な病的症状を「廃用症候群」と言います。
私は試行錯誤の結果として、自分の仕事は「廃用症候群の予防と改善」で、その手段は「補い」であると確信しました。高齢者に変化を求める機能訓練では、彼らの生活の質は一向に改善しません。周囲が過不足なく補うことこそが必要だったのです。
けれども機能訓練の一環としてのトイレ排泄の取り組みは、周囲の理解を得られませんでした。私は自ら入所者の排泄状況を調べて、タイミングを予測してトイレ介助を行うことを実践し、成果も実感していましたが、介護職員や看護師からはひどく嫌がられました。
そして苦悩しててたどり着いた「補い」を手段とするアプローチは、「機能訓練の担当者が機能訓練をしないで他職種の仕事に干渉ばかりしている」という形で批判され、職場の中で完全に孤立する結果となりました。
でも、思えば私がイメージした「補い」というのは、まさしく「介護」そのものだったのです。介護が真に良質なものであれば、高齢者に対して機能訓練などは必要なかったということです。それに気づいて、私は再び職場を去る決意をしました。
二度目の転職に向けて動き始めた当時、私はすでに40歳を過ぎていて、妻子も在りました。不安な思いで退職後の身の振り方を考えていましたが、「補い」の手法として着目していた「福祉住環境コーディネーター」の資格試験に挑戦したりしました。
その過程で、私は自分が日曜大工やDIYが好きだったことを思い出しました。
子供がまだ赤子だった頃に、床の上で座布団で寝かされていた子供をうっかり踏んづけそうになったことがあって、子供用の柵を自作したのですが、数日間、深夜まで時間を忘れて作業に没頭しました。
鮮魚店を営んでいた私の祖父は、何故か本格的な大工仕事ができて、家の修繕や増築などを自分で行っていました。私はそんな祖父を不思議に思いながら、子供心に尊敬していました。
後に知ったことですが、父の家族はかつて樺太(サハリン)で暮らしていて、祖父は鉄道職員として働いていました。
そして終戦に際して祖父は抑留され、開放されるまでの3~4年ほどの期間、強制労働として従事していたのが、ロシア人のための家屋の建築だったのです。
そんな風に祖父のことを思い出したりしながら、福祉住環境コーディネーターの勉強をしていたのですが、ある日WEBで「公共職業訓練」の情報を目にしました。それは失業手当を受給しながら職業訓練を受けられるという内容でした。
私は一気に道が開けた気がして、さっそく職業安定所に出向いて詳しい情報を求めました。特に気がかりだったのは四十を過ぎている年齢でしたが、それについては訓練校の担当者に問い合わせるようにとのことで、私はすぐに訓練校を訪ねました。
翌春、私は老人ホームを退職し、職業訓練校の木造建築科に入校しました。
年齢的な課題は「卒業後の就職が難しい点をクリアできれば年齢は問わない」ということでした。
そして、それから一年間、失業手当の給付を受けながら木造建築の基礎を学びつつ、商工会議所が企画する「創業塾」にも参加しました。
創業塾は2ヵ月ほどの期間、毎週土曜日の午後に講義を受けるスタイルで、ビジネスプランの策定や融資の受け方など、起業に必要なノウハウを学びました。
そして、職業訓練を終了した私は、自営業として「補い」をテーマとする事業をスタートしました。
訪問で行う「マッサージ療養」と、介護福祉目的の「住環境コーディネート」を複合的に行う事業です。
「リハビリテーション」は、世間一般では「機能訓練」の意味で用いられることが多いのですが、本来はもっと広義な概念で、損なわれた社会性や人間性の回復のために試みられるあらゆるアプローチを示しています。その一端を、医療介護の経験と木造建築のスキルを生かして担っていこうと考えたわけです。
以上のような経緯で、私は現在まで自営業を16年余り継続しています。
ずっと一人で営業してきましたが、職場の人間関係に煩わされることも無くなり、純粋に顧客と向き合って、その満足を追求する現在の状況は、経済的には苦しいときもありますが、社会に貢献している実感があります。
はたして参考になるかどうかもわからない私のエピソードに長々とお付き合い頂きましたが、お伝えしたいのは、どんなに行き詰まった状況でも、目標を定めて行動すれば、活路は見いだせるということです。
これから私はこのブログで働き方の改善や、キャリアチェンジに役立つ情報を発信していきます。
ぜひ一緒に人生の航海術を磨いてゆきましょう。
目標から逆算して生き方をチューニングする

「人生の目標なんて、そんな壮大なもの考えられない」と感じていませんか?
大丈夫です。
最初から完璧な目標を見つける必要はありません。
大切なのは、まずは暫定的にでも良いから「自分はどんな環境で生きてゆきたいのか」を思い描いてみることです。
たとえば、
「自然豊かな場所で、心穏やかに暮らしたい」
「自分のスキルで、誰かを直接笑顔にしたい」
「時間や場所に縛られずに、家族との時間を大切にしたい」
以上のようなささやかな願いが、あなたの「行き先」のヒントになります。
目標が見えてくると、不思議なことに自分の「羅針盤(生き方)」の向きが定まってきます。
「穏やかな暮らし」が目的なら、羅針盤は「安定」や「心の平穏」を指すでしょう。
「誰かを笑顔にしたい」なら、「貢献」や「やりがい」が指針になるはずです。
目標から逆算して、自分の羅針盤を少しずつ調整(チューニング)していく。この作業こそが、働き方の悩みを根本から解決する鍵となるのです。
生き方に適う仕事を選ぶ

あなたの航海の行き先(人生の目標)がおぼろげながら見えてきて、羅針盤(生き方)の調整ができたら、次はいよいよ「航海(仕事)」に出る準備です。
とはいえ、羅針盤は出航してからの微調整も必要ですので、自分自身の心の声に耳を傾け、周囲の状況をよく観察しましょう。
ここで重要なのは、どんな船に乗るかということ。つまり、「どんな仕事を選ぶか」です。
世の中には、豪華客船のような大企業もあれば、小回りの利くヨットのようなフリーランスという働き方もあります。
大切なのは、船の大小や速さではなく、あなたの航海に適う船を選ぶことです。
羅針盤で「安定」を指向するひとが、荒波にもまれやすい小さな船に乗れば、航海は苦しいものになるでしょう。
逆に、「冒険」を指向するなら、決まった航路しか進めない大きな船では物足りなさを感じるかもしれません。
では、どうすれば自分に合った船を見つけられるのでしょうか?
まずは、あなた自身が「どんな船の船長に向いているのか」「どんな航海術(スキル)を持っているのか」を知ることから始まります。
このサイトでは、あなたの「目的地」をより明確にし、あなたにぴったりの「船(仕事)」を見つけるための具体的なヒントやツールを、これからたくさんご紹介していきます。
職業の適性診断のような客観的な視点も交えながら、あなたの人生の航海図作りを、全力でサポートさせてください。
さあ、一緒にあなたの「生き方」に適う仕事を見つける旅に出ましょう。
